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2025年7月2日水曜日

金融翻訳者を悩ませる「underwriting」という言葉


金融の世界では、同じ単語がセクターによってまったく異なる意味を持つことがあります。「underwrite」もその一例です。

株式や債券の分野では、underwrite は「引き受け」を意味します。つまり、企業が新規に発行した証券を証券会社がいったん買い取り、後に投資家に販売することを指します。

一方、不動産投資の分野では、underwrite は対象不動産の投資分析を行い、適正な投資価格を算出することを意味します。業界ではカタカナで「アンダーライト」と言うようです。証券の「引き受け」とは異なり、この段階ではまだ資金を投じていないのです。

さらに、不動産ファイナンスの分野では、underwrite融資の評価を行うことを指します。不動産投資における用法に近く、私は「融資評価」と訳しています。


*参照:「不動産ファンドがよ~くわかる本」