最近、パワーポイントを使った大きな翻訳案件を終えましたが、自分の進め方に問題があったと反省しています。忘備録として、改善点をまとめます。
最も問題だったのは、翻訳とレイアウト調整をほぼ同時に進めたことでした。
今回の文書は、InDesignで作成され、PDFに変換された英文の和訳でした。顧客からは日本語版をワード形式で納品するよう求められましたが、図表のレイアウトが大きく崩れる(次のページにずれ込むなど)ため、日本語版をパワーポイントで納品することで同意してもらいました。
この文書には特徴があり、見開き(左右のページが対になって1ページに収まる形式)で作成されているうえ、ボックス内に文章がぎっしり詰まっていました。このようなレイアウトを扱うのは初めての経験でした。
顧客からは、できるだけ早く納品してほしいと言われていました。作業の効率化を図るため、パワーポイントに訳文を直接上書きする方法を選びましたが、これが問題でした。表示を拡大するたびに見ている場所の位置がずれたり、画面が揺れたのです。さらに、文字同士や図表と文字が重なることもあり、レイアウト調整に気を取られ、翻訳に集中できないうえ、眼精疲労も悪化しました。
何とか納品しましたが、もっと良い訳ができたのではないかという思いが残り、タイポも発生してしまいました。
この反省を踏まえ、次回からは以下の手順で進めたいと考えています。
今後の進め方
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文章部分の見積もりはワードで行う
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顧客からPDFの原稿を受け取ったら、パワーポイントに変換し、ボックス内の文字をワードに貼り付ける。
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ただし、小さなボックスは手間がかかるため、見積もり時には無視する。
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この作業は面倒だが、料金と所要時間を正確に見積もるために役立つ。(PDFからワードに一括変換してからワードの文字カウント機能を使ったところ、ボックス内の文字が正しくカウントされていないことに気づいた。)
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翻訳は基本ワードで行う
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訳文の入力、原文との比較チェック、AI訳との比較をワード上でする。
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訳文を音読することで、自然な表現かどうかを耳で確認する。
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図表の翻訳は並行してパワーポイントで作業する。
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ワードで完成した文章をパワーポイントに流し込み、レイアウトを整える
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推奨書式:
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フォント:Yu Gothic UI
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字間:標準
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行間:1.2
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完成したパワーポイントをPDFに変換し、スムーズに読めるか確認する
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金融業界の人は忙しいため、素早く理解できるかが重要。
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読みにくい箇所があれば修正する。
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A3用紙に印刷し、数字やタイポをマーカーでチェックする
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環境負荷はあるが、1つのタイポが大きな印象ダウンにつながるため、紙とマーカーペンを使った最終チェックをする。
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パワーポイントでの翻訳には特有のコツが必要なため、これを避ける翻訳者もいるようです。しかし、私は積極的に受けるようにしています。その理由は2つで、まず、もともと自分がグラフィックデザインに興味があり、ビジュアル表現が好きだから。そして、私の顧客(海外の運用会社など)は、日本市場向けの営業資料としてパワーポイントを使用することが多いためです。
今回の反省を踏まえ、次回はより効率的に進めたいと思います。