CAIAの勉強によって、ばらばらの知識を体系化でき、翻訳上の疑問も解消するのではないかと思いました。
勉強の方法
試験は2段階あり、レベル1とレベル2の試験が半年ごとにあります。
CFAの保有者は、レベル1を受けなくてもレベル2に進めるという制度が始まりました。
またレベル2の職業倫理の部分はCFAと重複しているため、CFA保有者にとって有利です。
公式な教材として、CAIAの教科書(有料)と模擬試験(無料)があります。
これだけで受かるすごい人もいるようですが、多くの人は、UpperMark もしくは Schweserという受験教材会社のコースで勉強します。私も教材会社のお世話になりました。
UpperMark と Schweserでどちらにするか迷ったあげく、UpperMarkにしました。
受験生の交流サイトであるAnalystForumによれば、UpperMarkは実際の試験よりもやや難しく、Schweserは説明が読みやすいという評判でした。(実際の試験でも、UpperMarkをやったおかげで、問題がやさしく感じました。)
UpperMarkの教材には数式のリストがついていて、覚えるべき数式の範囲がわかるので便利でした。
数式のあまりの多さに頭がクラクラしますが、よく見ると似たような式も多く、お経のように繰り返すとなんとか頭に入るものです。
クイズ形式の模擬試験もあり、最初は悲惨な結果でも、徐々に8割程度は答えられるようになりました。
フラッシュ・カードも買いましたが、ほとんど使いませんでした。
法律や各投資対象の特性など、暗記すべき内容が多くありました。
ICレコーダーに自分の声でポイントを録音し、お皿を洗いながら、洗濯物を干しながら、道を歩きながら聞いて暗記しました。
50代で新しいことが覚えられるのか?
心が折れそうなときは「還暦三度目の京都大学合格記」を読むことをお勧めします。
一説によると、短期記憶は齢とともに衰えやすいものの、長期記憶はそれほどでもないそうです。
したがって繰り返し脳にインプットする長期記憶ならできるはずです。
今さら数学ができるのか?
私のような翻訳者は文字列ばかり見て仕事していますので、数学は過去数十年まったく触れていません。
九々ですら忘れていた状態でした。
しかしCAIAの数学は、数式の意味の理解と応用ができればよく、微積分の複雑な計算や証明を求められることはありません。
しかも点数の配分は全体の2~3割なので、文章問題で挽回することもできます。
日本人に英語のエッセイが書けるのか?
仕事がら、さすがに英語には日々触れていますが、それでもネイティブではなく、特に冠詞の判断は困難です。
しかしCAIAは英語の文法の間違いが採点の対象にならないので、大丈夫です。
キーワードを書ければ突破できると思います。
合格して分かったこと
結局、CAIAで勉強した内容は、翻訳に大いに役立っております。
さらに、CAIAの日本支部が最近立ち上がったため、オルタナティブ投資のプロの方々とお会いでき、中には翻訳を発注してくれる方もいて、私にとってこの資格は有益な時間とお金の投資となりました。