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2014年11月2日日曜日

「言い切り文化」と「あいまい文化」

文化が異なるということは、メッセージの伝え方も異なるということです。つまりストレートにものを言う文化か、遠回しに言う文化かで違うのです。

ジェーン・ホラン著「なぜ昇進するのはいつもあなたではないのか ー もっと早く知っておきたかった「社内政治」の技術」では、ストレートな表現を高く評価する文化とあいまいな方言を高く評価する文化について触れています。アメリカ文化は前者、日本文化は後者でしょう。

はっきりとモノを言う文化の人は、あいまいにモノを言う文化の人をどう思うかというと、
  • 信用できない
  • はぐらかしている
  • 要を得ない
  • あいまい
  • 内にこもっている

その逆に、あいまい文化の人にとって、言い切り文化の人は、
  • 傲慢
  • 口先だけ
  • 感情的
  • 歯に衣着せない
  • ケンカ腰
  • 無神経
に映ってしまうのです。

したがってメッセージをそのまま翻訳してよいかどうか、判断が必要になります。


2014年8月14日木曜日

「income」と「revenue」の違い

またしてもCPAの教科書「Wiley CPAexcel Exam Review Spring 2014 Study Guide」が明快に説明してくれました。

Income includes both revenue and gains.
Revenues arise in the normal course of business and are often referred to as sales, fees, interest, dividends, royalties, and rent.
Gains are other items that meet the definition of income, which may or may not arise in the normal course of business.
...
The IASB Framework indicates that gains are increases in economic benefits and are no different in nature from revenues.

したがって「income」=「revenue」+「gains」
Revenueは事業活動から通常得られる収益
Gainsはそれ以外の収益

ということになります。

しかしIASB(国際会計基準審議会。IFRSを設定する団体)はrevenueとgainsは使い分けていないそうなので、曖昧さはまだ残ります。

和訳するならば、Income は収益、Revenueは経常的な収入(つまりかなり確実に入ってくることが期待できる収入)、Gains は特別な収入がニュアンス的に近い気がします。

Gainsは和訳すると、Gain on sales of bonds(債券売却益)の場合ように「○×益」と和訳される例をよく見ます。


2014年8月12日火曜日

「純利益」は「net income」とすべきか、それとも「profit」とすべきか?

そこが昔から疑問でした。

今日、初めてその謎が解けたのです。

CPAの教科書である「Wiley CPAexcel Exam Review Spring 2014 Study Guide」によるとUS GAAPは「net income」、IFRSは「profit」と言っているそうなのです。

結論としては、どちらに英訳しても間違いではなさそうです。

「revenue」と「income」の使い分けについては、未だに分かっていません。

CPAの教科書は読んでいると眠くなるけれど、翻訳に役立つヒントがあちらこちらにあって、このような発見をするたびに、眠気が吹き飛ぶのでした。

2014年5月12日月曜日

なぜ翻訳は難しいのか

翻訳は難しいものです。

なぜ難しいのかご説明しましょう。ここに1つの英単語があり、それを日本語に訳したとします。

それが正しいかどうか、どうやって分かるのでしょうか?

数学なら計算して確認することができます。

しかし言葉には「正解」というものがないようにも思えます。正解がないものを決めなければならないのです。

一般的な文章を訳す場合、インターネットで検索すれば、どの用語が市民権を得ているのかチェックすることが可能です。

しかし専門用語になると、インターネットを頼りにするのは危険であり、普段から勉強する必要があります。

翻訳者は急に仕事を依頼されても、その産業分野の常識や基礎知識を持っていなければ翻訳できないのです。
最新の情報は、辞書に用語が載っていないこともしばしばあります。

お客様が翻訳を発注するとき、翻訳者の力量をチェックする方法があります。

その翻訳者にインターネットに載っていない専門用語を訳してもらったり、その訳語を選んだ理由を説明してもらってください。
説明できれば、良い翻訳者と言えるでしょう。

例えば、会計用語でamortizationとdepreciation はどう違うかと質問した場合、amortizationとdepreciationはどちらも「償却」と和訳されるが、amortizationは無形資産の償却、depreciationは有形資産の償却であり、(しかしこれも厳密ではなくamortization of machineryと表現する人もいるが)、amortizationで気をつけるべき点は、「価値がだんだん減る」減価償却と「金融資産から生じる利息を均一にならす」償却の2種類が存在する、というような答えが返ってくれば、翻訳の質を信頼してよいかと思います。


 

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