建築現場の英語
A君は大手ゼネコンに務めており、東南アジアや中近東で橋を作ったそうです。現地の作業員はフィリピン人やトルコ人で、英語で指示しなければなりません。
彼曰く「英語が本当にできる人は、現場に1人いればいいんだよ。その人は契約書なんかのドキュメントをやる。おれたちが作業するとき、コミュニケーションは、気合い・技術力・英語力のうち、2つがあればいいんだ。おれのTOEICなんか、370だよ。」
なるほどです。
説明しずらい翻訳の世界
「たしか加藤さん(私の旧姓)は通訳やってるんだよね。」と聞かれました。「いえ、翻訳です。」みんなにとって通訳も翻訳も似たようなものなのでしょう。
「どんな翻訳をやっているの?」オルタナティブ投資と説明しても誰も知らないだろうし、詳しく説明するとせっかくの酔いがさめそうなので、「金融の翻訳しています」と言いました。「いま何が一番もうかるの?」とすかさず質問されます。「いまは低金利だから投資はむずかしいよ」と言うと、つまらなそうな顔をされました。ETFは手数料が低いよ、ぐらい言えばよかったと思います。
「翻訳は1千万円ぐらい稼げるの?」
「人によります」と答えておきました。ちなみに私の年収は1千万にはとどきません。しかし日本翻訳者協会の集まりに行くと、1千万プレーヤーはちらほらいます。
男と女でどちらが大変か
酔いが回ってくると、A君とB君は、男性がいかに仕事で苦労しているか、という話をしだしました。妻と子供の生活を守るため、いかに粉骨砕身しているか。出世すると責任が重くなって体をこわす人がいるけど、そうはなりたくない、と。私の夫も昔は残業して夜10時に帰ってきたものです。
上野千鶴子名誉教授が東大の入学式の祝辞で「女性は頑張れば頑張るほど壁が高くなる」と述べ、テレビや新聞で話題になりました。男性と女性では世界観に大きなギャップがあるようです。男女の両方が「犠牲になっているのは自分たちの側である」と主張している気がします。
ESG投資は、企業による女性の活用度を重視します。これによって男性の負担が減れば何よりです。男性がもっと家事をしてくれることもポイントですが。ちなみに私の夫は、負担の低い職場に移ってから、ときどき食事を作ってくれるようになりました。